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2024.03.26

世界が「研磨仕上げ」を選ぶワケ。 労働問題に高付加価値!理由はこれだ!

モノリスグループが大量保有する世界最高峰の床面研磨機、HTC DURATIQ。
メーカーはモーターサイクルでも有名な「Husqvarna(ハスクバーナ)」。

Husqvarna Superfloor™ (スーパーフロア)と呼ばれる、研磨機・ツール・化学薬品の総合的なコンセプトに基づく「ポリッシュコンクリート仕上げ(研磨)」のプロセスは、高級車のショールームやカジノといった富裕層向け商業施設を始め、その耐久性の高さより様々な建築の床として採用されています。
環境に配慮された工法であることも、各分野の先駆者たちの価値観に合致しているのでしょう。

この数年、日本でも近代建築の表紙ウラ、裏表紙を飾っているのも研磨施工。
掲載しているのは日本一の「最先端 機械施工」で全国を股にかける左官・土間工事会社、モノリスグループです。

2023年11月には、モノリスコーポレーションと川村工業で編成される「スーパーフロアーTeam」が、ベルギーを訪れHusqvarna(ハスクバーナ)社でのスーパーフロアーACADEMYに参加しました。

スーパーフロアーACADEMY当日の詳細はこちら >

ここでは、
・なぜ「スーパーフロアーTeam」はわざわざベルギーの現地まで行ったのか
・なぜ、まだ日本だけが床面研磨の導入が進まず世界に遅れを取っているのか、その原因
について、カナリ踏み込んで記していきます。

世界のスタンダードは「技術」ではなく「データ」なんだ

インタビュアー
ベルギーを訪れると聞いた時は驚きましたが、さすが「終わりなき探究心」だ…と敬意を表しました。
なぜ現地まで行ったのか、聞いてもいいでしょうか。
川村
この先のものづくりに我々のデータが必要だからだよ!
インタビュアー
どういう意味ですか?
川村
コンクリートのプロであるモノリスグループが、現場で何を見て、どんなシーンに遭遇しているのか。施工者側にある生の情報(データ)はメーカーにとっては宝なんだ。そこには日本の建築事情も入ってくるし、我々は日々臨床実験をしているようなものだからね。
未来のものづくりに必ず寄与するはずさ。

加えてメーカー側が見ている視点も知りたかった。
業界最先端メーカーが考えていることは何か。機械を造る側と、使う側、それぞれの最先端によるセッションというところかな。

インタビュアー
「-Innovation by Technology-」の予兆を感じるお話ですね。手応えはいかがでしたか!?

データを活用できる人間が生き残る時代

川村
もうカラダで覚えた技術ではなく、データを活用できる人間が求められているなと再確認したね。使うのはカラダじゃなくて「脳みそ」。
同行した取締役 技術開発部長の仲松もそれには同じ意見だったよ。

コンクリート床が白くなるのは何故かって。
それはもう技術の話ではない。何をしたから白い粉がでた、どんな薬品をどれだけ使えば無くなる、全てデータなんだ。
使用する機械、使用する化学薬品、材料、そういう側面。

「技術」ではなく「データ」によるテクノロジーの研究開発。
だから蓄積されたデータを互いに交換することで、メーカーの開発が進む、我々にとっては品質向上につながるwin-winなんだよ。

日本に床面研磨施工が浸透しない原因

インタビュアー
世界はそこまで進んでいるのに、なぜ日本ではポリッシュコンクリート仕上げ(研磨)が浸透しないのでしょうか。
見ているものが違う気がして仕方がありません。
実際に、ポリッシュコンクリートにすれば土間工事の労働問題も解決できるわけじゃないですか。

川村
今になって建設業界も「2024年問題」「残業ダメ!」って騒がれているけれど、世界はとっくに「労働者ファースト」「職人ファースト」なのだけれどね。

MADE IN JAPAN、日本の技術が最高だ!っていう勘違い。
だって、そういう割に実際に起きているのは「職人離れ」じゃないか。

海外は新しい技術を追求している、日本は伝統を守ることばかりを大事にしてきた。
海外では職人離れなんてないんだから。

インタビュアー
え!?そうなんですか?
川村
そうさ!
この情報化社会の中で、いつまでも汗を流すことを美化して、巨人の星みたいなスポコン推しじゃあ、誰も見向きもしないさ。

口では働き方改革だのと謳っている企業だって、ほとんどが旧体質な”価値観”が根付いている。今辞められたら困るベテラン勢の権力が強いのだろうね。

ただし、もうハッキリ言って2024年で残業に規制がかかる以上、スポコン推しでは流行らないのに加えて経営が立ち行かなくなる。ブラック企業だと叩かれるから。

インタビュアー
変化に疎い日本人になってきてしまっているなというのは、日々感じています。
何か発言したら叩かれるんじゃないか、同調圧力に押しつぶされて一歩前に出る気さえ起きない、そんな風潮をひしひしと感じます。

そんな雰囲気の中で、「お客さまにとっての最善を考えた新しい工法の提案!」なんていうモチベーションも起きないのでは?と思います。波風立たなければそれでいい、今までだってこうしてきたんだから、の方が勝るというか。

だからこそ、こうして自分の目で海外の最先端を見て、考え方をシフトしていく、建設業界で真にカッコいい人たち、川村さんや仲松さんのような人たちを知ってもらうことは社会にとって重要で、若者にとっての希望だと思うんです。

川村
キーワードはね…「相乗効果」だよ。
いかに若者 ✕ ベテランの相乗効果を生み出せるかが、建設業にとって重要なキーワードで、その間を担うのが機械化(テクノロジー)なのではないかと思う。

昔は60歳で定年だったのが、人生100年時代で年配者もまだまだ労働力として働いてほしい。いくら「時代は変わったんだ!」「大事なのはデータだ!ポチポチ…」と言っても、人はいきなりは変われないし企業も切り替えられない。

そんなことをした日には、今までの建設業を支えてきてくれた先輩たちが、俺達の数十年は一体何だったんだ?、となるだろうね。

インタビュアー
その新しい切り口として、若者とベテランの間を担うのが機械化、というのはどういうことでしょうか。
川村
歳を重ねた職人さんたちはその経験を活かして「管理者」となって、データを駆使する若者を現場で導いていくんだ。

作業の無駄、やってはいけないこと、知り尽くしているんだから。
現場全体を俯瞰して見れさえすれば、若者の好きなようにさせて軌道修正をかけてあげればいい。張り合うのではなくてね。

インタビュアー
!!
それは左官アシストマンの時から一貫して言っている、ベテラン職人さんたちの「脳内資産」の活用ですね。

職人離れを解決するのは「興行」。社会の中の建設業というポジション。

インタビュアー
すごく気になっていることがあります。
なぜ同じ時代にいるのに、海外では職人離れが起きていないのでしょうか?
川村
元々、職人の地位が確立されているからだね。ドイツでは「マイスター」って呼ぶでしょう?
アメリカでも職人はかなりの高給取りなんだ、肉体労働する人たちは。

建機のオペレーターの給料は良いと聞いたよ。我々の仕事で言えば騎乗式トロウェルのオペレーターなども。

インタビュアー
先ほど言っていた「海外は労働者ファースト!」と、感じるのはなぜですか?
川村
まずワールド オブ コンクリートショーというイベント、興行だよね。コンクリートメーカーが業界を盛り上げるために、みんなで出資し合って開催している。


※worldofconcrete.comより

職人たちも出場して、操縦技術などを競い合うんだ。
イベントの中での勝負事だからゲーム感覚で、騎乗式トロウェルでレースをしたり、それで賞金が出たりするんだ。
要するに格闘家が戦って賞金もらえるような、それの建設職人バージョンがあるんだよね。

インタビュアー
うわ!さすがエンターテインメント大国!
川村
格闘家も言ってしまえば肉体労働で、それでもカッコいい!目指したい!って、どうしてそういう若者が注目するのかといったらやっぱり「メディア」がそこにあるからだよね。
カッコよく映っているから憧れる。

アメリカの建設業界は、「職人」という仕事をその方向に持っていっている。
ファンがいるんだよ。

モノリスグループのイメージはそれかな。
ワールド オブ コンクリートのエンタメ性を取り入れて、ユニフォームでもトラックでもなんでもカッコよくして。


※worldofconcrete.comより

スポーツで言えば野球だって、ファンを失くさないように、
例えば「カーブ女子」とかネーミングを付けて、ピンクのユニフォームでプレゼントを配ったり。その結果、広島カープには女性ファンが増えるとか、業界全体で「野球ファン」を楽しませている。

徐々に選手の人気が出てくれば、宣伝効果を狙って企業がスポンサーに付く。

見てよ!
左官屋にスポンサーになる企業なんてないじゃん!(笑)うちはこれでも結構全国で知名度のある左官屋だと思ってるんだけど、ユニフォームにロゴ載せてお金出してくれる建材メーカーなんてないよ!(笑)

インタビュアー
(笑)
すみません、真面目なトピックなはずが、笑いが先に出てしまいました。
川村
メーカーは若者が存在すら知らない建築雑誌にばかり広告費を使って…。

日本では、建設業に限らず大企業は自分の会社の宣伝しかしないでしょう。
面白おかしくしているつもりではあるんだろうけど、どの企業だってみんな「俺が俺が」って自社を売るためのCMしかしないじゃない。
そんな意識では、世界に勝てないんだよ。

職人をカッコよく見せようって、モノリスは自分たちなりにやってきたけれど、我々は所詮中小企業で、資金力のある業界の大手がもっと動いてくれないと。
それでもできる人が関わって、こういうコンテンツを通して地道に建設業の見せ方を変えていくだけでも多少の影響や反応はつくれると思う。

「個」で戦おうとするんじゃなくて「業界」で取り組んでいかないと、この日本の社会の中での建設職人のポジションはいつまで経ってもできていかないさ。

インタビュアー
ポジション、ですね。海外で言うマイスター。
仰る通り、Husqvarna(ハスクバーナ)社での写真や、Webサイトを見ても、どれもカッコよく演出されています。

今日のインタビューでは、どうして日本にポリッシュコンクリート仕上げ(研磨)が普及しないのかという問いの、深層にある原因に触れられた気がします!!

今後も引き続き、
社会問題に取り組む「最良のコンクリート床仕上げ」に関する発信をしていきましょう!

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