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2024.04.01
なぜ人気俳優が左官業に!?「ごくせん」「仮面ライダー」の佐藤祐基さんと描く、俳優業のデュアルキャリア
2024年1月。
東京都町田市にある川村工業オフィスに、人気俳優の姿がありました。
エヴァーグリーン・エンタテイメント所属
2004年、大学在学中にトップコートによるオーディション「Try TO Top 2004」でグランプリを受賞し芸能界デビュー。
2005年、『ごくせん』の第2シリーズで俳優デビュー。
2006年、『仮面ライダーカブト』で加賀美新 / 仮面ライダーガタック役として出演し、知名度を上げる。
2008年、フジテレビ系連続ドラマ『白と黒』で連続テレビドラマ初主演。
出典:wikipedia
「WATER BOYS 2005夏」「1リットルの涙」「花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011」「GTO」その他多数の名作ドラマ、映画に出演し続けてきた佐藤祐基さんが、なぜこの日…川村工業(モノリスグループ)のオフィスを訪ねたのでしょうか。
そこには同席者の姿も。
佐藤さんをご紹介くださった、大阪・東京を拠点に足場工事を提供する株式会社中村建設 中村社長。
沖縄のリゾート開発現場に長期で常駐していた川村も、この日の会合のため一時帰省し、会合の議題は
俳優を志す若者が「夢と両立できる昼間の仕事」について。
突発的なオーディションや稽古が発生し、融通の効くアルバイトで生計を立てることが多い俳優業。手に職を付けることが難しい若者の、将来を考えた昼の仕事の一つとして、なんと建設業の「左官・土間工事業界」は検討できないか?とご相談くださったのです。
俳優業、そして建設業の新たなストーリーが幕を開けます。
▽当日の映像はこちらでご覧いただけます▽
(建設業を本気で良くする株式会社 YouTubeチャンネルにも取材されました!)
俳優業の生活事情とお金の稼ぎ方が、芝居に及ぼす影響。
僕自身も舞台や稽古の合間に「荷揚げ」の仕事で食いつないだりもしていて、建設業との関わりもあるんです。昼間の仕事で、レッスンと両立できる、且つ将来の安定も視野に入れた職業選びに、建設業はあり得るのではないかと。
俳優、女優を目指している子たちがホストやキャバクラ、最近ではギャラ飲みなんかで金銭感覚を狂わせているのも見てきました。
一晩で何万円何十万円と手にして、目指していたはずの夢を諦めて目先のお金に走って帰ってこなくなる子も沢山いました。
でもやっぱり昼間の仕事をしながら俳優の勉強をしている子たちは長く続くし真面目なんですよ。
だから、なんとか祐基に協力できないかと思った時に、左官で大勢の職人さんを全国に行かせている川村さんにも聞いてもらいたかったんで、連絡させてもらいました。
どんよりして常に眠そうで、目が座っていくというか。
そして要領がいい芝居をしはじめる。的は得ているけれど近道を行こうとしたことがわかる芝居。だんだんこっちがもどかしくなってきて、それなら彼らがしっかり働ける場所、朝から働けて夜はしっかり睡眠できる環境をつくってあげられないだろうかと考え始めたんです。
僕にとって今回の一番の目的はそれなんです。生徒たちの顔つきを良くしてあげたいって。
なぜ左官・土間工事業を推したのか
俳優を目指している人たちには少々ハードワーク過ぎるんじゃないかと。
別の角度からは、俳優を諦めた時にもその後の生計を立てていけるような技術を培える仕事が理想的だろうと考え、すると建設業ならやっぱり左官。
川村さんのところには83歳の職人さんも現役で活躍していて、左官は年齢を重ねてもできる仕事。これから少子高齢でさらに職人不足が加速する中で、やっぱりこの「仕上げ」っていう仕事は、もう絶対に必須で外せない職種なんですよ。
うちも鳶土工で人手が全然足りていないから、見習いでも1万8000円、2万円払うこともできますが、こちらに都合の良いようにしたってそれも目先の仕事、目先の金になってしまう。そういう人夫出しって僕が嫌なんです。
やっぱり一つのことを極めるということはこれから絶対大切だし、一つのこと極めたらブレずに食べていける。
うちが(モノリスグループが)やっていれば、真似をしてやってみようという建設業の社長さんたちが出てくると思ったので。走りながら考えて形をつくっていくイメージです。
今まで発信に関しては頑張っきたところもあるし、うちが伝えていけば、少なくとも左官業界には広めることはできるかなって。
そういう子たちを、建設業界に誘導できるコンテンツを、川村さんと一緒ならつくっていける気がして。
これから土間・左官の価値は上がる。
職人が今高齢化でどんどんどんどん減っている中で、海外の実習生も円安の問題で限界が出てくる。本当に来なくなりますよ。
ともすれば、いかに日本人を定着させて育てていくかということに取り組まなければならない。もし俳優を諦めても、その時はうちの会社で正式に雇用してあげるよ、とか。そういう風になれば面白いかなと。
毎日お金を稼ぐだけでなく、自分の中のスキルや食べていける「技術」が身に付けられるというのは。
夢を追いかけてきて途中で「諦める」って、すごく勇気がいることだと思うんです。それぞれシチュエーションは違って、結婚して急に現実社会が押し寄せてくる人もいれば、同級生が出世していって自分だけ取り残されている感覚を覚えたり。
でも一生懸命光を目指して走ってきた道で、気が付けば応援してくれている仲間や先輩もいて、ここまで来てその足を止めなきゃいけないのかと。それはめちゃくちゃ勇気がいることです。
だから、その時に「自分の次の道はこれなんだ!」って自信や確信が持てる一歩を新たな道で踏み出せたら…そんな風にネクストステージに進める環境づくりができたら、俳優業界にとっても次なる1ページになるんじゃないかと思います。
「オーディションが入った!」突然仕事を休む理由と根深い問題。企業はそれを受け入れられるのか!?
今後は中村さんのお力も借りて、株式会社B.NEXTでこの事業を育てていきます。
建設現場に行くといろんな役割の人がいて、それはそれで見ていて楽しいんですよね。大きい重機や車両を見るとワクワクする気持ちもありますし。
そのワクワク感は私もよくわかるんです。
大規模な建築では様々な施工会社さんが一堂に介して、テキパキと一斉に作業を進めていきますが、初めてその光景を目の前で見た時の衝撃はいまだに忘れられません。都心のオフィス街にある巨大なビルの新築工事でした。
一人ひとりが専門職で。それぞれ自分の仕事を計画に沿って進めて行ったその集合体が一つの「建築物」になっていくんだなって。あの「うわーーー!」って各々が各々の仕事を進めている光景…ゾクゾクしましたね。
なんでこの光景を世間の人に見てもらえないんだろう、感じてもらえないんだろうって、ものすごく切ない気持ちにもなりましたけど。
うちの会社だと高齢者も雇用していて、シニアの人たちは休みたい時に休めるようにしているんだ。朝の気分で決めていいですよって。
来てくれるなら本来10人で行く現場に、1人増えて11人になった、というくらいで長年の功績を称えたい感覚のほうが強いですね。
またこれだけ人数もいれば病気をする人もいるしね。
しっかり事務所の担当者とコミュニケーションが取れていれば、調整してもらうことは可能なんです。
しかし、俳優の卵たちは日々レッスンを受けながらいつお声がかかるのかと常に「待っている状態」で、事務所からオーディションの話がきたら何としてもそのチャンスを掴まなければ!とある種の強迫観念に囚われてしまいます。
時間を変更したら先方の心象も悪くなってしまうのではないかと、生活のための仕事を犠牲にしてしまう。
時間変更はできないという役者側の思い込みや、事務所側とのコミュニケーション、関係が築けていないこと等が問題です。
なので
・夢を追いかけている自分と
・生活を支えようとしている自分
どちらも揃ってはじめて成立するんだ、ということを社会人としての観点からも、メンタルの観点からも教えていくのは、それも自分の役割だと思っています。
左官屋不足は自分で自分の首を絞めた結果だ。モノリスの職人の柔軟さは特殊!
数年前からスタートした美装工事や研磨も、旧体質の左官屋だったらものすごく嫌がるでしょう。
「なんで俺達が掃除しなきゃならねえんだ!」って。
しかし、分業が当たり前の建築の世界で、自分たちは完璧に仕上げたつもりの土間も、掃除する人が雑だと良いものができなかったりする。
それを見ていて、だんだん胸糞悪くなってきちゃって(笑)
自分たちがやったものは自分たちが引き渡しまで責任を持って対応することで、どれだけ品質の高い床が納品できるか見せつけてやろうと。それで一括施工というのを始めたんです。
※世界最高峰の研磨機DURATIQで手掛けたポリッシュコンクリート
※美装工事
そうやってお客さんが求めることに対応していけばいいのだけれど、古い左官屋はプライドの方が勝ってしまって、こんな仕事はやらないって仕事を捨ててきちゃってるんですよ。
モノリスは、先週入った女性職人にもうコテを持たせてるんですよ?こんな会社ないですよ。
僕たちの世代は「新人は材料練っていろ!」って言われて育ってきたので、生易しい世界じゃなかった。その結果自分で自分の首を締めた。
先に左官の楽しさを知っていれば結果は変わっていたと思う。
逆に捉えれば、売れない俳優さんがズルズル芸能界から離れられなくなってしまうのは、ちょっと出演したり映った時の気持ちよさが残っているからなのかなって。聞いていてそう思いました。
この時代、若い人たちはオンとオフがはっきりしているから、昼間は先輩にこき使われて自分の練習は仕事が終わってから隠れてする、なんてことはあり得ない。そんなことをさせているから「目先の金」に釣られてどっか飛んでっちゃうんですよ。
僕たち世代の左官屋が明らかに少ない理由は、
当時、多くの人がその壁(自主練、仕事を覚える自己投資)を越えられなかったからです。
当時からそうだったのだから、いまこの業界にとって大事なのは、左官屋、企業が考え方を変えることです。左官という仕事の見せ方を変えることです。
いかに面白そう!やってみたい!というイメージを創り出せるかです。
だから、そういう意味では、佐藤さんのような人がこうやってこの業界に関わってくれて、先陣を切って行ってくれることで、注目も集められるし、業界が変わる一手になるんじゃないかと期待しているんですよ。
どうせうち一社でやろうったって、受け入れられる人数はたかが知れているんですから。もっと多くの企業に、俳優業の事情とこの現状を知ってもらえれば、それが本当に業界にとって価値のあることだと思います。
これからはデュアルキャリア、二刀流でいいじゃん
そことタッグ組んでやっていく。そこにまた学びがあるから。
それを、いまくすぶっている若い子たちに一つの道筋として見せてあげられたいですね。
お試しでやってみて、合わなかったらやめていいんだよ!って。そうしなければ何も始まらないと思うので。
芸能人の2倍3倍「イイね」が付く左官屋はそうおらんで。(笑)
お問い合わせ先
人手不足にお困りの企業の方々へ。
ここまで対談をご覧いただいた方には伝わったかと思います。
俳優業を目指す方々のデュアルキャリアの構築に、ぜひ協力したい!うちでも採用したい!という方。
お考えの方はぜひ、下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。(モノリスコーポレーションで受け付けております。)
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▽他 プロジェクト
全国に優良な左官職人を「無料で」紹介
「左官の窓口」
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