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2025.10.25
山形から全国へ──日本初の床施工専門店「FIELD EDGE」の挑戦!
建設業界の構造的課題──「職人不足と高齢化」。その影響で技術継承は停滞し、とりわけ床施工は大工や左官の一部作業に埋もれ、専門性が正当に評価されることはなかった。
しかし床は、暮らしを文字通り支える“土台”である。その脇役に甘んじてきた床を主役に押し上げようとする挑戦が、山形から始まった。
それが、山形県上山市に誕生した日本初の床施工専門店「FIELD EDGE(フィールドエッジ)」だ。
運営するのはモノリスグループ(モノリスコーポレーション、川村工業)と協業する地元企業「ゆうき総業」。これまで建設業界には存在しなかった“床の専門店”という新しい業態を路面に構え、暮らしと建築の未来を足元から変える挑戦が動き出した。

FIELD EDGE外観(上山市役所向い)

FIELD EDGE店内

店内展示の高性能研磨機
はじまりは「左官」との出会い
2001年創業のゆうき総業は、当初は塗装と防水を二本柱としてきた。しかし下地処理に欠かせない「左官」の作業に向き合うなか、独学で覚えコテも握ったが限界を痛感。
10年ほど前、結城社長は常務と外注先の社長に左官訓練校への入学を勧めた。2年後、二人は揃って1級左官技能士に。以後、毎年のように社員を送り出し、塗装・防水・左官の三軸経営を本格化させた。

左官一級試験のための練習
多能工が生む「東北の冬を越える力」
常務自身も塗装・防水・左官すべてで1級を取得し、多能工体制が確立。SNSを通じて左官を覚えたいと志願する若者も集まり、組織は活性化していった。
真剣に学ぶ若手職人たち
冬になると建設需要が極端に減る東北において、多能工の三軸体制は「東北の冬を越える力」となった。安定した仕事を確保できることこそが、地方における生存戦略だ。
三軸経営が呼び込んだ「必然」
2024年、大型案件の新築マンション左官工事を受注した。しかし、人手不足の業界、厳しい東北の冬をまたぐ工期、職人が全然足りない、窮地のなかダメ元でモノリスコーポレーションへ支援を依頼したことが転機となった。

川村工業の参戦もあり、知人の知人だった川村社長はFacebookやInstagramで知ってはいたが、この出会いが後にゆうき総業とモノリスグループの協業に繋がった。

左官業を主とする川村工業の職人さんたちとの協働は、新たな左官の可能性、土間施工の楽しさの再発見となった。振り返ると、三軸経営を目指したことがこの出会いを「必然」にした、と結城社長は語る。
「第三の軸」──FIELDEDGE誕生
モノリスグループとの協業を経て、さらに「ポリッシュコンクリート」の可能性を知り、土間という仕事が見渡せてきた。塗床、塩ビタイル、タイル貼り…..これまで手掛けてきた技術に加え、土間を制すれば「床全般」の対応ができるのではないか。
左官や床に特化したショールームはこれまでに存在しない。ならば自分たちでやってみよう——FIELD EDGE誕生の瞬間だ。

「三軸体制と多能工育成」そして未来へ
ゆうき総業の工事部は今や10代・20代が中心。ついに20代社員2名が塗装・防水・左官すべてで1級を取得する快挙を成し遂げた。これは創業以来の歴史を塗り替える出来事である。
建設業から若者が減少していくなか、ゆうき総業では若い力がどんどん育っていることに、結城社長のワクワクが止まらない。
「今は、三軸体制で日本一の多能工会社を目指している」と結城社長は語る。その「今は」?という言葉には、さらに先を見据える余白が込められている。
協業するモノリスグループにとっても、この取り組みはまだ序章にすぎない。床を主役に据える挑戦は、地方発の建設業再編モデルとして、全国に広がっていく可能性を秘めている。

床仕上げ専門施工のブランド「FIELD EDGE」は、これまでになかったサービスを全国へ展開していきます。ショールームやモデル店舗にご興味のある方、また出店をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
FIELD EDGE:山形県上山市河崎二丁目2-72-11 TEL:023-674-0451
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